これまでに培ったビジネスで起業する選択をするみなさんに向けて、分かりやすい言葉でお伝えします。
あなたが今、思い描いているライフスタイルを実現できるのか、想定外の出来事に慌てることになるのかは、経営者になることへの心構えで決まってきます。
いざという時に備えて、順を追って確認していきましょう。
起業に至った思いを整理しよう/経営者のリスクを学ぶ
・自分がなぜ起業しようと思い立ったかを整理しましょう。
これはとても重要です。
起業したからにはあなたは立派な経営者であると同時に責任者でもあります。
どのような形態を選ぼうと、いかに無借金で始めようとも様々な苦労や障壁はつきものです。そんな時にみなさんの支えとなるのは強い気持ちです。
当然、周囲の方や取引先からの支援や援助を受けて困難を乗り切ることもあるでしょうが、その助けを引き寄せるのはあなたの強い気持ちです。
あなたは、以下のどの項目に合致しますか?
□現状を変えたかった
□生活費の足しにするための副業として
□社会への貢献
□共通の意識や趣味を持つ仲間との接触目的
□世の中を変えるようなサービスを提供したい
□サービスやビジネスのアイデアがある
□とにかく起業したかった
・経営者のメリット/デメリット
ここでは、世間で言われているようなメリットを取り挙げることはやめておきます。
経営者のメリットそれは、自分らしくいれるということです。
時間もそうですし、仕事も選べます。
要するにこれまでの就業環境とはまるで異なります。
そして、就業環境が違うという事は、生活環境も異なることを意味しており、すべては自分次第という訳です。
ただ、人よりも多く働けばたくさん稼げるというものではありません。
短い就業時間で多くの利益を上げる方も大勢いらっしゃいますが、世の中そんなに甘くはありません。儲けを生む、生まない。それすらも自分で決められるという事です。
雇われて働いている以上は、仕事における自分らしさを追求したところで、独りよがりで終わることも珍しくありませんが、経営者となれば自分らしさは最大の武器となり得ます。
当然、後述するデメリットもありますが、せっかくなら自分らしく在りませんか?
一方、デメリットはもはや教わるまでもないでしょう。
売上利益が無ければ収入が無い、業務に必要な資金は自分で用意しないといけないというようにとにかく生活が安定しないことが多いです。
また、それ以上に苦しむことになるのが“責任を負う日々”です。
全ての製品に対しては勿論、仮に従業員を雇い入れたならば雇用者責任、そして仮に一円の利益が出ておらず、苦境に晒されている状況下においても社長としての誠実な言動が求められます。会社と経営者は時に混同されるものですが、基本的に別人格です。
会社の経営状況が悪い時ほど、あなた自身の信頼を高めていくことが大切であり、それが成功のキッカケとなります。
しかし、それはとてもきつく、辛い事であるということをしっかりと理解しておきましょう。
そしてそのことをしっかりと理解しておくことで、あなたはどのような時でも自分らしくいれるはずです。
起業する業界の動向を知ろう
・市場を知ることで競合先や相乗効果のあるビジネスを理解しよう
みなさんはこれからビジネスを始めようとする方、もしくは既に他の商売をされている中で、新たにビジネス展開を考えられているものと思います。
その際には業界動向に注視すべきで、必要となる情報は大きく分けて二つです。
1・外部環境によるもの
例えば、特定の原料の原産国における不作による価格高騰や在庫状況、売れ筋の傾向や人気のイベントや商品などがそれに当たります。ここでいう動向や情報とは次の通りです。
・関係するマーケットにおける同業や類似業者の分布と戦略、及び対象エリア以外も含めた価格帯の把握
2・季節や経済環境を背景とする自身のストロングポイントに関係する情報
誰にも興味のある事柄や自身の強みや得意分野というのがあるはずです。
分かり易い例を挙げるとすれば、特定のエリアや対象だけにある特有の習慣や文化です。
ある特定の地域の人しか知らない伝統や行事、そしてそれに付随する人や物の流れに注視しましょう。
そういった地域や季節、またはブームや消費傾向に目を光らせることにより、それらに紐づくビジネスを創造することが可能となります。
あなたがモノづくりを選択しようが無形サービスを展開する予定であろうが、それらのものと連動してイメージしていくことで数多くの可能性を生み出してくれるのです。
これらはいずれも想定段階のはなしであり、今その情報を揃える必要はありません。
ただし、ご自身のビジネスモデルを構築する時、または開業後に必ず必要となるものですから、そのイメージが湧かないという方が居られるとするなら、今一度ご自身の考えを見つめ直したほうがいいといえます。
自分のライフステージに合ったビジネスプランをイメージする
前項経営者のリスクで学んだ知識を活かして考えてみましょう。
起業すること、経営者になることの最大のメリットは自分らしくいれることだとお伝えしました。そのことに共感していただけたとするなら、本項でのイメージはあなたを苦しめるものにはならないはずです。ご自身が置かれた状況に無理のないビジネスプランを想像することが基本となります。
・一日もしくは一週間の中で仕事に集中できる時間はどれくらいか
・新たに事業を始める、もしくは副業としていくら稼ぎたいのか
・何をすれば自分が楽しめるか、また、続けられるか
・あなたがする事業で、喜ぶ誰かの姿が想像できるか
ビジネスプランの段階では、どのような戦略を組めばいくらくらい儲かるなどと考える必要はありません。必要な思考は「あなたがあなたらしく」ある為にはということに尽きます。
次回STEP2ではビジネスプラン構築の進め方や税法などについて学んでいきましょう。